『母の言い訳』 黒木瞳

母の言い訳

母の言い訳

タカラジェンヌで、今をときめく女優であり、一児の母であり、1人の妻であるる黒木瞳さんのエッセー集。

普段、タレントモノはあんまり読まないのだが、WM友の会でもお世話になっているchipapaさんの紹介文を読んでずっと気になっていた(具体的には、amazonのカートに入れっぱなしになっていた)のを、やっと購入。

働く母である著者が、主に自分の娘にあてたメッセージという体裁。ただ、働く母といっても、女優、それも売れっ子の女優である黒木さんは、普通の会社員とは比べ物にならないくらい時間的制約も多いだろうし、精神的・肉体的疲労も大きいと思う。実際、本文のなかでさらりさらりと書いてあるが、現実問題大変だよなぁ。

でも、悲壮感やら大変だと重い空気は全然なく、また押し付けがましいこともなく、「私はこう思っているの」ということをごく自然体で書いている。

だから「母の言い訳」は、(もしかしたら黒木さんに少しそんな思いがあるのかもしれないが)全然「言い訳」ではない。「母の思い」がたくさーん詰まった一冊なのだ。

装丁:原田暁子