『天地明察』冲方丁

もうすぐ映画が公開ってこともあって、今大々的に宣伝している1冊。
江戸モノでしかも天体モノというので、前々から(単行本のときから)気にはなっていたが、ここにきて購入。

で、やっぱり面白かった!

全然数学的な知識を持ち合わせいないので、その意味での楽しみ方は全然できなかったけど、男のロマンというか生涯かけて1つのことに打ち込む姿勢は感動もの。
江戸というスローライフな時代だからこそとか、身分が保障されていたからこそとか色々言い訳(?)はできるけど、生涯をかけてなし得ることができるってのはすばらしいことだ。

解説(文庫)に養老さんも書いているように「物足りなさ」「書き込みの甘さ」みたいなのは正直ある。だって生涯を1冊の本にしてドラマチックにしようと思ったら、そりゃぁ。そして、これも養老さんに賛成なのだが、その物足りなさをひっくるめて、この作品が出来上がっているのだ、と思う。

普段、活字派の私だが、これは映像で見たいと思った。あのスケールのでかそうな測量機や、作り上げた天球儀などを見てみたい。関さんとの戦いやえんとの恋も。

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)