『マスゴミ崩壊 さらばレガシーメディア』三橋貴明

マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~

マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~

新聞社とテレビが過去の収益構造が却って収益を圧迫するという問題をかかえたまま、じりじりと崩壊へ向かって歩んでいるよということを示した本。興味を持って見聞きいしている分野だし、佐々木さんの『2011年新聞・テレビ消滅』なども最近読んだばかりなので、内容としておおむね、納得かな。
ただ、新聞テレビ=既得権に守られてぬくぬくしている世界、出版社=再販制度はあるものの、ライバルは多いし、倒産(=市場から退場)する会社も多いから、「健全な業界」としているのには、違和感が。相対的にはそうなるのかな?同じ穴の狢という気もするが。
新聞のこれからのあり方として思ったことが1つ。本書の最後のほうにも少し触れられていたが、現在、新聞の記事は通信社からの配信を受けているものを除き、各社が抱えている記者が独自に取材している。つまり、同じニュースなのに、各社で記者を投入しているわけで、これは業界全体から見たら大変効率が悪い。そこで、通信社形式というか、記者が独立した存在となり、新聞社(Webサイトやラジオなど情報を発信する会社は全部ここに含まれる)はその情報を買うというスタイルにすればいいのではないか。新聞社は、編集および営業活動を行い、販売は販売所に任せる。結局、出版が著者→出版社(編集+営業+広告)→書店(小売)となっているように、記者(フリー記者・記事配信会社)→新聞社(編集+営業+広告)→販売所(小売)ってのもありかと。現在の(特に大手)新聞社の記者は絶対納得できんと思うが。