『最高学府はバカだらけ』石渡嶺司

結構前に発売され、ずっと話題になっていたのに寝かせてしまっていた本。
今の日本の大学の問題を鋭く指摘している。タイトルはナンなんだが、決して単にバカにした本でも、真摯に問題を指摘している。さすが、大学ジャーナリストの第一人者。大学の問題点を(多少コバカにした書き方をしなくもないが)、心から大学に頑張って欲しいと期待しているのが分かるし、職員など関係者に強いエールを送っている。
本書で初めて知ったが、今大学には一兆円以上の税金を投入しているらしい。が、筆者が問題にしているように、情報公開は全くといっていいほど進んでいないとのこと。すでに淘汰の時代に入っていると思うが、一般企業のように、これからは「不都合な真実」を隠し、捻じ曲げた真実を出すほうがリスクが高いということを認識してもらいたいものだ。
また本書には、有名難関大学から全く知らなかった大学まで多くの学校登場する(なにせ、今の日本には700以上も大学があるそうだ)が、欄外に各ページ1大学ずつ紹介されているので、それをパラパラと読むだけでも面白い。

最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書)

最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書)