『日本でいちばん小さな出版社』佃由美子

日本でいちばん小さな出版社

日本でいちばん小さな出版社

偶然が重なり、何の気なしに出版社を作ってしまうことになったど素人の著者がつづる出版社設立繁盛物語。

おいおいというほど業界について知らないところから始め会社ということだが、だまされもせず、つぶしもせず乗り越えていけているのは、「行き当たりばったり」のように見えて、それまでのキャリアやセンス、頑張りがあってこそ(ちなみに、著者は建築科を中退後、オーストラリアに渡り、現地のゼネコンに就職。現地で9年間働いた後、帰国。システム会社などを経営という経歴の持ち主)。だって、まっさらな状態から、著者(ライター)からイラストレーター、DTP、営業、経営、経理までなんでもこなしちゃうんですよ!やれっていったってできません、普通。この業界に長いこと住んでいる私も、何一つかないやしない。いや、頭でっかちな知識くらいはあるけど。まさに習うより慣れろ。実践で勝ち取る力は強いなぁ。当然、文章も面白いので、読み物としても楽しめます。

ちなみに、著者の佃さん、1年半ほど前に一度お会いしたことがある。本文曰くの「ギョーカイ人の飲み会」で(笑)。ご本人が覚えているかどうかは分からないけど、しっかりお名刺ももらっています。大切にしておこ(笑)。ちなみに、文章からにじみ出るような飄々としつつも、芯の強い姐さんといった感じの方でした。

著者の会社(アニカ):http://www.anika.jp
著者のブログ:http://blog.goo.ne.jp/tamio406