『中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇』中野京子
中野京子さんのファンなのに、ギリシャ神話も大好きなのに、なぜか抜け落ちていた1冊。期待(もちろん私自身の期待)を裏切らない面白さ。中野さんの本はかなり読んでいると思うが、あまり内容にダブリがないのもすばらしい。なんてキャパの広い人なんだ。
紹介された絵はすべてカラーで掲載されているし((見開きで掲載されているので、どうしてもノド部分にひっかかるところがって、それが見えないのが残念。これが電子書籍だったら、拡大縮小も含めて自由自在だなぁと思った))、絵の周りには本文と連動した細かな解説もある。
それも芸術的にすばらしいものかもしれないが、もともとテレビも映画もない時代、娯楽的な要素も多分に含んで作成されたもののため、そもそも絵のみでこんなに楽しめるんだというのが再発見できる。
それにしてもギリシャ神話ってどうしてあんなに、わかりづらいんだろう。何度読んでもわけわからない。登場人物の設定がねじれまくっているのに加えて、各国語の読み方が入り混じっている日本語ならではのハンディも大きいんだろうな。
ま、そんなことをいいつつも1点、1点の魅力を中野節でたっぷり解説してくれる1冊です。
- 作者: 中野京子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/03/09
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (16件) を見る