『ブログ論壇の誕生』佐々木俊尚

ちょっと遅くなったけど、佐々木俊尚さんの『ブログ論壇の誕生』を読んだ(正確には、オーディオブックで聞いただけど)。2007年から2008年前半くらいまでの、ブログ界隈を中心としたネットで起こった事件とその背景を解説したもので、ネットの世界で語られていることが、リアル社会に影響力を与えつつあることを紹介したもの。
1年以上経っているので、知っているニュースはかなり昔のような気がする。ネットの世界はリアル世界よりもさらに時の経つのが早い。逆に知らない事件も結構あって、そこそこネットを見ている身だと思っているが、広大なネット世界を見渡すのはさすがに難しいと改めて思う。
本のタイトルには「ブログ論壇」とあるが、まさに「論壇」と言われるのに恥じない良質のブログから、2ちゃんねるニコニコ動画の得体のしれない(?)書き込みまで(私も2chもニコ動も見るし嫌いじゃありません)、「ネット界で何かしら意見を言っているもの」をかなり広く取り上げている。とはいえ、残念ながら論壇系といわれるブログでもまだまだ影響力はそれほどでもないし、なによりかなりアンテナを高く持っていないと、そこにたどりつけない(読む側のリテラシーも問われる)。ちなみに、書籍には巻末付録に著者が普段よく見る171件の著名ブログが掲載されているらしいが。
さらっと読めて、ネット界で起こっている出来事の概要がすぐにつかめる良書。

ブログ論壇の誕生