『エア新書』石黒謙吾

エア新書―発想力と企画力が身につく“爆笑脳トレ” (学研新書)

エア新書―発想力と企画力が身につく“爆笑脳トレ” (学研新書)

エア新書」なるものは知っていたが、しょせんWeb上の遊びと思っていた(でも結構面白いのもあるよ)。が、その手の人にかかるとこうも面白くなるとは。その手の人とは、分類王&ダジャレ王として知られている石黒謙吾さん。
本書はWebのエア新書のように、「妄想」で新書のタイトル、著者、帯コピー、ソデコピー*1などを作るという企画モノ。1ページに1冊ずつ、全100冊分、原寸同デザイン*2で入っている。芸能人、文化人など実在の人物が多いが、歴史上の人物なども。これだけの量だが、1週間で一気に書き上げたとか*3。元の発送(=エア書籍)も面白いが、それを本当の新書で書き下ろしで作ってしまうってのはスゴイなぁ。
100ある中で、お気に入りをここに紹介しようかと思ったけど、これはテキストベースで見てもあまり面白くない(=それっぽくなったものじゃないと面白みが伝わらない)ので、ヤメ。興味がある人は書店で見てみてください。
・・・と思ったら、太っ腹!「石黒謙吾の『エア新書』立ち読みブログ」なんてものがあるじゃないか(こんなに見せちゃっていいのかしら)。これは必見っ!
ぱっと見、乱発する新書を皮肉っているのかな、エア新書という体裁をとって世の中に苦言を呈しているのかなとも思ったが、「基本は誰もが思いつくネタを拾ってコピーとして落とし込んでいるだけで、批判精神とはまったく無縁」(p3)とのことなので、単純に面白がって読むのがよいようだ。
また、本編は見て楽しいが、「リアル新書とエア新書の考察」(石黒さんらしい新書のタイトルをパターン化して分類したものや「石黒式ネタ作り」の発想法の紹介など盛りだくさん)もあり、日々タイトルに頭を悩ます編集者にとっては、格好のテキスト。このただし!「肌身感覚では新書ブームはすでに去ったと感じています」とのことだけは頭にいれておこ。

*1:ここが結構いいスパイスになっている。

*2:本書と同じ「学研新書」のデザイン。

*3:そのせいもあるのだろうか、結構ネタが新しい!逆にいうとスグに古くなりそうなので、楽しみたかったら今すぐ見るべし