『遺品整理屋は見た!!天国へのお引越しのお手伝い』吉田太一

日本初の遺品整理屋キーパーズの社長、吉田さんが見た「孤独死」の現場の数々。遺品整理屋さんとは、亡くなった方の遺品の整理、処理や家の清掃、ときには供養までもする業者。死後だいぶ経ってから発見された家や部屋の清掃、匂い消しなどは読むだけでもつらいものが・・・。
このような業者が呼ばれるのは、いわゆる普通ではない死に方をした人がほとんど。1つ1つのエピソードは短く、語り口もやわらかいのだが、背景を考えると非常に重い話が多い。プロの手にかかったらドラマや小説になりそうなものも(この著者はセンセーショナルに書くのではなく、体験したことをそのまま綴っているだけなのでドラマ性には欠ける)。
凄惨な死に方をした人の遺品を、遺族に代わり整理、清算していくという大変かつ新しい業態のお仕事なのだが、だれにも見守られないまま、または自ら命を絶つような形で死を迎えることにより、このような業者が必要になるというのも現代という時代なんだろうか・・・。
今は「生」の塊のような子どもに振り回される生活をしているので、ふと「死」について忘れがちになってしまうが、大概は「まさか」の結果がここにあるような形になって出てくるのだろう。帯にある「たとえ今、家族と同居していても、孤独死の可能性はある!」のだ。
1巻目となる『遺品整理屋は見た!』は未読だが、こちらも読んでみたい。

遺品整理屋は見た!!天国へのお引越しのお手伝い

遺品整理屋は見た!!天国へのお引越しのお手伝い

遺品整理屋は見た!

遺品整理屋は見た!