『創業家物語』有森隆

創業家物語

創業家物語

よく知られている松下、ソニートヨタから、森ビル、ヤナセ、西武、イオン、話題となった赤福、吉兆まで。全51の会社の創業物語と創業者の家系図が詰まった本。「日刊ゲンダイ」の連載をまとめたものなので、1つ1つが長くなく、簡単なエピソードとともにサクサクと読んでいける(ただし、2段組でミッチリ書かれているので、読み終えるのには時間がそこそこ時間がかかった)。
本書は、創業物語でもなく、創業「者」物語でもない、あくまで創業「家」というところがポイント。つまり、創業者のアツい思いや苦労などにとどまらず、それを次いだ二代目、三代目(子供、養子、兄弟、孫・・・)の代まで描いているのだ。一応「男子継承型」「娘婿・養子継承型」「兄弟継承型」「パートナー継承型」「途中登板型」と分けてあるが、それほど厳密に分類できるものではなさそう。政治家や皇族とまで親族になる華麗なる家系図を描く家もあれば、シンプルに縦線のみの家系図もあって、この人とこの人は親戚なんだーという面白い発見も。有名企業ばかりなので、知らない会社はないけど、新ためて成り立ちやら創業者などのことを知る機会はないので、ミニドラマをたくさん見ているようで楽しめた。
ここに出てくる中で、今でも創業家が君臨している企業は本当に少ないけど、中内家を例に出すまでもなく、創業期を過ぎ、会社がある程度大きくなると、家族経営ってのは難しいんだろうな。

※なんだか久しぶりに読んだ本のことを書くなあ。もちろん、読書は生活の一部であるので、ここに書こうが書かまいが読んでいるんだけど。