『勝間式「利益の方程式」』 勝間和代

またまたご本人献本いただいた。ありがとうございます。
タイトルどおり、勝間さんの提唱する「利益の方程式」を丁寧かつ実践的に解いた書。そのルールは、帯にも書いてあるように

利益=((顧客あたり)単価ー(顧客あたり)獲得コストー(顧客あたり)原価)×顧客数

たったこれだけ?いやいや、これがなかなか奥が深い。いってみれば、たった1つの式なのに、1冊かけて説明するというのは、それだけ深いということ、さらにそれだけ著者に語れるものがあるということ。
本書は、利益を出すにはどうすればいいかを説いているわけだが、その前になぜ利益を出さなくてはならないかが書いてある。株式会社だから当然?いやいや会社のためにも、そこで働く人のためにも、社会のためにも、利益の最大化は大きな意味を持つのだ。ややもすると「儲ける」というのにネガティブな印象があるが、正当な儲けは、絶対不可欠なもの。無駄な残業やら自己増殖的に増えていく仕事も、きちんと利益を出すということに特化すればもっと救われる仕事ができるハズ。
本書のポイントは、ソデに書いてある「勝間式「儲け」の格言集」にすべてまとまっている。その中で気になったものをいくつか。

・利益の源泉は実は他社が追いつくまでの時間的な余裕である
・ビジネスで成功するコツは成功するまで「仮説→実行→検証」を繰り返すこと
・顧客数が増えるほど、顧客単価は下がっていく。これを「貧民効果」という
・プライシングとは、顧客が気持ちよくお金を払ってしまう仕組みのこと。

ちなみに、本文中にもあったように、この1年ほど出版業界の仕組みをウォッチされていたようで、この業界を引き合いに出して書かれている点も多々。儲けベタだと思われている出版人にもぜひ。

勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─

勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─