シリーズ化なるか?

面白い企画本がある。漱石直筆の原稿がそのまま、新書になったそうだ。タイトルはそのまま『直筆で読む「坊っちやん」』。誤字脱字、推敲のあとも見られ、後から付け加えられた箇所、編集記号なども見ることができる。普段なら資料館などで、その一部を見ることしかできないものが一冊まるまる収録されているのだ。分かりづらいところは、欄外に丁寧な注釈があるので、一般読者への配慮も細かくしている。
今日、本書を見てみたが、手書きだと感覚が全然違って、面白い。原稿を読もうとしても内容が頭に入らず、文字に気を取られ、全体の雰囲気にのまれ読み進められない。周りの注釈が気になってしまうというのもあるが、手書きのものを読みなれてないというのも多きいんだろうな。漱石の字は意外と丸っこく、クセが強くないので読みやすい。仮名遣いが確立する前なので日本語史的な読み方もできるかも。
「読む」というよりは「見る」楽しみの多いこの企画、さてはてシリーズ化なるか?

http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20071015i412.htm

直筆で読む「坊っちやん」 (集英社新書 ヴィジュアル版 6V)

直筆で読む「坊っちやん」 (集英社新書 ヴィジュアル版 6V)