『お母さん社長が行く!』橋本真由美

お母さん社長が行く! (NB Online book)

お母さん社長が行く! (NB Online book)


就任当時は、非常に話題になった、パート主婦出身でいまや東証一部上場企業となったブックオフ・コーポレーション社長、橋本真由美さんの本。元は日経ビジネスオンラインの「ブックオフ社長橋本真由美の「最強の現場の創り方」」の連載。

ライターさんの書き方なのだろうか、橋本社長のもともとの語り口のせいだろうか、非常にやわらかい、主婦的な感じを前面に出した印象。経営者っていうと、優しさだけではなく、厳しい、ある意味冷徹な側面もあるだろうが、そちらはそれほど出てきていない。

本書では、橋本さんの経歴(生まれ育ちから栄養士として働いた経験など)から、第1号店ができたときにパートとして働き始め、2号店で店長に就任、その後役員になり、上場させ、最後社長就任にいたるまでが描かれている。やっぱり読み手としては黎明期のバタバタや、不採算店舗の建て直しなんかはやっぱり読んでいてワクワクする。主婦版プロジェクトXって感じかな。

「フリーターも、ニートも、主婦も、みんな立派な戦力です」と帯にあるように、人材育成について多く語られている。橋本さんの天性ともいえる人材掌握・活用術、前向きな頑張りはすごいと思うが、たまにいくブックオフでそれほど人材がすばらしかといえば。。。そうかなと思ったり。確かにみんな一生懸命働いているけど。

下世話な話になるが、文中、扶養の範囲を外れて社員になるとき夫が若干渋ったという話が出てきたけど、その後、専務そして社長にまでなったことをご家族はどう受け止めていらっしゃるのだろう。そのあたりは本書では触れていなかった。会社経営のあり方も興味があるが、家族経営にも興味をもった。