中古本のサポート

普段、うちの会社では編集部に読者から直接電話がかかってくることはほとんどない(編集部の番号を公表していないのに加え、書籍の中に問い合わせは文書(Webのメールフォーム、ファックス、郵便いずれでもOK)でお願いする旨を明記しているから)。が、ひさびさに直通でかかってきた。取ったのは、たまたま編集長。内容は、

「買った本のCD-ROMが使えないので、取り替えて欲しい。」

というもの。落丁・乱丁と同様に、プレスや出荷時に傷などが入り、読み込み不良となったCD-ROMは当然、出版社側の責任で交換させてもらう。しかし、話を続けると、なんと、

ブックオフで買った」

ことが判明。この方は、

「未開封なんですけど」

と強調していたが、丁重にお断りしてお引取り願っていた。冷たいと思われるかもしれないが、版元に一銭の得ももたらさない中古本に対してはサポートする必要なしという判断のためだ。

今回はたまたま話の中で中古本だったことが判明した(しちゃった?)ため、このような顛末だったが、そこに触れずに話が進めば、通常通り交換しただろう。中古市場が伸びている今、問い合わせや質問を送ってくる読者の中で、中古本を購入した人の割合ってどのくらいいるのだろう。そして。版元はどこまで読者のサポートをすればいいんだろう。