『世界で一番パパが好き』

世界で一番パパが好き! [DVD]

世界で一番パパが好き! [DVD]

ニューヨークで絵に描いたような成功したやり手広告宣伝マンだった主人公オリー(ベン・アフレック)は、愛する妻(ジェニファー・ロペス)が出産と同時になくす。たまった仕事となれない育児とがすべて重なり、仕事で大失態をしていまう。オリーは、娘ガーディ(ラクエル・カストロ)とともに、自分の父の住む故郷ニュージャージーへ戻り、父と同じ清掃員となって働く。7年後、華やかで都会的な仕事に復帰を望んでいたオリーにチャンスが訪れるが、家族はいい顔をしない。仕事に戻りたい気持ちと家族を大切にしたい気持ちのなか、揺れ動いて・・・。

とまあ、正統派ハートウォーミング・コメディ。興行収入的にはそれほどふるわなかったらしいが、子育てと理想の仕事のギャップ、都会暮らしと田舎の親などという割と身近なテーマなだけに、感情移入して観れた。ストーリー運びもラストもかなりベタだけど(途中で展開が読める)、子どもの顔を見ることもなく亡くなった妻を思う気持ち、子どもへの愛情、父親への気配りなどなど泣かせるセリフもちりばめられている。ただ、恋人になるマヤ(リブ・タイラー)の役割は微妙で、なくてもよかったかも。

公式サイト:http://www.sekapapa.jp/top.html

・・・以下、ネタばれになります。・・・

映画では、結果的に家族の大切さの方が勝り、元の暮らしを続けるというものだが、もし自分のチャンスにかけて老父を田舎に置き、娘と二人で都会で仕事の成功を望むという結論を出したら、どうなんだろう。
映画の中のせりふでもあったが、あのくらい(7歳くらい)の子どもは、却って変化を望まないことが多い。一人残される老親としても、出て行ってほしくないというのはもちろんだろう。恋人(らしき人)ができたのも大きいかもしれない。
だが、主人公は、まだ34、5だ。子育てのため、家族のために自分の夢をすべてあきらめるのは早すぎるような気もする。娘との大喧嘩の中でうっかり主人公は「お前のせいで、ママがなくなったんだ」というセリフを言ってしまうが、いつか「お前のせいでパパは夢をあきらめたんだ」と言ってしまわなければいいが。まあ、子どももどんどん大きくなるし、自分の考え方も変わる。そのとき、そのときのベストの選択をするしかないんだろうけど。