株の本

株やら資産運用に関する本は、以前よりたくさんあるスタンダードに売れるテーマだが、ここんとこしばらく、刊行点数もやたら多く、ともなって売上もかなりのものになっている気がする。

大もうけした人が本を出したり、雑誌に載ったりするから、ついうっかり「株は儲かる」って錯覚してしまうが、一説によると、一般投資家の9割(!)は損を出しているらしい。つまり、株の世界は、ほんの一握りの成功者と、大多数の人は負け組で構成されている(あれ?これってどっかで聞いたことがあるフレーズだぞ)。

成功したときの額は大きいものの、そもそも失敗する回数が多いからこそ、「今度こそ!」もしくは「俺だけは!」という投資家の心をくすぐる本が売れるのは、分かる気がする(人間の欲は尽きないからねー)。

そんなこんなで、投資や経済の専門家から、有名人、大もうけしている一般人まで、ありとあらゆる人が書いた株の本があふれている。

ところで、『ど素人がはじめる株の本』という本の中に、株式投資本には、4つのパターンがあると紹介されていた(複合型もあり。あと株の基本を説いたものもある)。
1 作者が儲かると思う銘柄を紹介する本
2 作者が儲かると思う投資法を紹介する本
3 作者が儲かったことをひたすら自慢する本
4 過去のデータに基づいた分析を淡々と述べる本

3の自慢話は、もちろん読んでも価値はない。タメにならないどころか、気分まで悪くなりそうだ(笑)。4の研究者タイプも、過去の理論付けだけなので、たぶんあまり役に立たないだろう。

となると、読者にとって有益なのは、1か2。読者の立場からすれば、手っ取り早く「儲かる銘柄が知りたい」ってんで、1の方が人気がある気がする。のちのち応用が効くのは2だけど。

不思議なのは1の儲かる(だろう)銘柄をわざわざ公表する著者。本当に儲かるんなら、だれにも教えずに自分でたくさん買えばいいのにー。それに、運良く当たればいいが、外れたとき読者に恨まれそう。

それに比べて、2のノウハウだけ教えるのはありかなと思う。この手のノウハウって紙で読んですぐ使えるってものじゃなくて、実際にやってみながら試行錯誤しないと自分のものにならないだろうから、著者の指南通りしても、出てくる結論は人によってまちまちになりそうだから。

どんどん取り留めがなくなってきたが、株以上に株本に興味をもっている私なのでした。