『はい、こちら国立天文台』長沢工

はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室 (新潮文庫)

はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室 (新潮文庫)

三鷹にある国立天文台の広報室員のエッセイ。サブタイトルの「星空の電話相談室」なんていうととってもロマンチックだが、実際はヘンな質問をしてくる困ったさんもかなり多いらしく、その手のエピソードには事欠かない(読むぶんには結構おもしろかったりもする)。そのほか、ジーンと来るエピソードや天文学のマメ知識などなど。電話番の裏側半分、夜空のウンチク半分といったところだろうか。

書き手は広報室のアルバイトではあるが*1、あなどるなかれ、元は地震研究所勤務の理学博士。ほとんどボランティアで電話番をやっていただいているんだから、ゼイタクなものだ。

ちなみに、この本は単行本のときは『天文台の電話番』というタイトルだったそうだ。うむ、文庫版のタイトルのほうが明らかにいい。装幀もね。

天文台の電話番―国立天文台広報普及室

天文台の電話番―国立天文台広報普及室

デザイン:新潮社装幀室

*1:時給は1000円