『誤読日記』 斎藤美奈子

誤読日記

誤読日記

雑誌(「週刊朝日」と「アエラ」)で連載された書評をまとめたもの。全175冊分。

2000年〜2004年までの話題書がずらりと並んでいるが*1、すべてにツッコミが入りまくりで、これを先に読んじゃうと、取り上げられている本すべて読めなくなっちゃうよー。多くのブックガイドは、「読みたい本を探すための手助け」をしてくれるが、本書は取り上げられている本に手を出しづらくさせてしまうんだから、そこんところどうなのよ(笑)。

ミーハー本へのツッコミ入れまくりの文章を、これだけまとめて読むのは正直しんどかった。原因のひとつは、読んだことがある本が少なかったこと。こういうツッコミ系書評は自分が読んだあとにそれについての記述を読むとより味わえるんじゃないかな。さらに、ツッコム気満々で書いているいるところ。

最後に、本書『誤読日記』の書評までしているのには、笑ってしまった。ちなみに、タイトル「誤読日記」というのは、「万一どこからか苦情がきたら、「あれは誤読ですから」といって逃げてしまおう、それがコラム名の由来」だそうだ。はじめに「たのしい誤読生活のおくり方」なんて指南もついている。

雑誌の連載だから仕方がないが、1つ1つの本に言及している文章が短い。斎藤美奈子さんの書評はもう少し長さを取って、じっくり読ませるタイプのほうが向いていると思うのだが。

装幀:藤田知子 装画:大高郁子

*1:2000年あたりの本だと、すでに「そういえばそんな本があったのね」という感じがする。時のうつりかわりは早いわ。