ブックハンター

ある編集者の気になるノート経由、「ブックハンター 名著は嗅覚で探せ 」を読んで。

世界中で埋もれたベストセラー候補を発掘する専門家を育てようという通信講座「ブックハンター養成講座」が、お目見えした。見つけ出すヒントから、企画書のまとめ方までセットにして教える講座で、ヒット作を手軽に探し出したい出版社の意向ともマッチしている。玉石混交の本が大量にあふれた昨今の出版業界ならではの講座、といえそうだ。(略)
また、実際に売り込むサポートも行っている。アメリアの会員(年会費1万5750円)となれば、あらすじなどをまとめたリポートを、提携している38の出版社へ紹介してもらえる。企画が通れば、3万円の「企画料」が支払われる仕組みだ。室田社長によると、出版まで漕ぎ着けると、企画料を上げるなどよりよい条件で別途契約を結ぶこともありえるという。参加者は現在50人程度だが、「今、出版社は人手不足もあって、本を発掘する余裕がない」(室田社長)状態で、出版社からの問い合わせも多いという。受講生は中高年が中心で、副業で本を探したいという人が多いそうだ。

本の発掘人を育てる講座というのは、確かに画期的。ただ、出版業界の知識や企画書の書き方やならともかく、本の見つけ方、つまり「嗅覚」「勘」みたいなものって教わったら育つもんなのかしら(だったらぜひ私も受講してみたいぞ)。通信講座の内容を見るに、普通に出版社で働いている編集者は知っている知識ばかりなような気が…。

ザ・エージェント」(鬼塚忠)を読んだときも思ったが、この手の稼業がどんどん出てくると(というか、成功すると)編集者あがったりだよなー。ただ、出版までこぎつけなくても年会費だけでやっていけるというなら「儲かるのは胴元だけ」になりそうな気も・・(その意味では、主催者のアメリアの目の付け所はすごいかも)。

でも、「本を発掘する余裕がない」などと言っている「出版社の声」ってどうなのさ。