『自分の会社をつくるということ』 経沢香保子

自分の会社をつくるということ

自分の会社をつくるということ

いまやマスコミにひっぱりだこの経沢さんの本だから、出版されるという話を目にしたとたん、「これは売れるぞー!」と思った。が、直接自分が読もうと思ったのは、「ワーキングマザースタイル」でのインタビュー記事を読んでから(インタビュー内容は「日本の子育て事情」についてであって、本の宣伝ではない。何が購買のきっかけになるかわかりません・・)。

本書は、26歳で起業、今は現在トレンダース女性起業塾などの代表である経沢さんが「社長業」について丁寧にかつとても誠実に書いたもの。

若くて、女性で、後ろ盾があるわけでもないという状況から起業、徐々に売上を伸ばし、やがて人を雇い入れ、真の経営者へとたどってきたなかで積み重ねてきた経験が凝縮されて書かれている。

ややもすると自分の自慢話や単なる自叙伝になり勝ちだが(自叙伝はそれはそれで楽しいが)、本書は創業期〜成長期の社長のあり方、特に女性社長のあり方を各プロセス、各項目ごとに分かりやすく実践的に解説している。「立ち上げの前にやるべきこと」「あなたのブランドで、オンリーワンになりましょう」「お金をかけずに営業しましょう」「人事のエキスパートになりましょう」「起業から最低三年はがんばりましょう」などなど。

ここでまず目指す会社というのは、「年商1億円、社員3〜4人、オンリーワンビジネス」。むやみに大きくするとか、儲けをがっぽりだすというのではなく、自分の地に足のついた経営方法。女性にはその方法が向いている、という。

女性起業家を全面に出しているが、「社長の一番大事な仕事は、継続的に売り上げを上げ続ける仕組みを作ること」「社長は、3〜5年先を見据えることが大事」など、男性起業家にも大いに役立ちそう。

著者ならではの経験をあますことなく伝えてくれている本であるが、なにはともあれ、社長に一番ひつようなのは、「是が非でも成功させてやる」という強い信念なんだなぁと改めて認識。

語り口は、飾らず背伸びしない等身大のまま。(勝手ながら)親しみをもってしまうし、どこか身近に感じててしまう(もちろん、気合・根性・頭の使いどころ・・どこをとってもスゴイ人には違いないのですが)。

ちなみに、経沢さんは今1児の母であり、お腹には次のお子さんもいて、5人まで産む!と公言されているとのこと。頼もしい!!

余談ですが、ダイヤモンド社は、ここしばらく、和田裕美さん、渋川真帆さんスーパーウーマン物語が続くなぁ。みんな表紙に写真が載っているが、いい顔している。やっぱり、できて自信がある人は顔に表れるのかしら(調べて見たら、ほかにも川西由美子さん、市田美加さん・・・同じような"顔出し"の女性ものはまだまだあった)。