『まんだら探偵空海 いろは歌に暗号』 鯨 統一郎
いろは歌に暗号(かくしごと)―まんだら探偵空海 (ノン・ノベル)
- 作者: 鯨統一郎
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2004/08
- メディア: 新書
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またまた、鯨統一郎さんもの。
今回のは歴史物。時代は平安初期。「いろは歌」の隠し暗号「とがなくてしす(咎無くて死す)」は有名だが、これはいったいだれのこと?というのが今回のテーマ。具体的には、のちに「薬子の変」と呼ばれる事変の真相を解き明かす。登場人物は、平城上皇*1、嵯峨天皇、藤原薬子、空海、橘逸勢、坂上田村麻呂などなど。歴史の授業で聞いたことのある人たちばかり。
この時代に詳しくなくても、なんら困らずさらりと読める。でてくる人物も妙にみんな人間くさくて、親しみやすいし。それに、"だいたい"史実をもとにしているので、歴史の勉強にもなりますね(ホントか?)
が、いまいち終わり方が腑に落ちない。薬子が上皇にみせた妖術のカラクリが、「それは、有り得ないだろう」と思うのだが(あんまり言うとネタバレになるのですが、いくらこの時代の設定だって、誰にもばれることなくそれをするのは無理だよ・・・)。そこでひっかかってしまうので、曼荼羅がうまくつながらない・・・。
装幀:反町ユミ イラスト:ソリマチアキラ
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