『結婚帝国 女の岐れ路』 上野千鶴子+信田さよ子

結婚帝国 女の岐れ道

結婚帝国 女の岐れ道

おー、なるほど。そうだったのか!普段、ちらっと頭を掠めてはとんでいく、ふとした疑問を的確に「言語化」してくれている(社会学者って、社会のあれこれを切り取って「定義する」仕事なんだー)。読んでいて心地いい。

対談だから、こちらが「で?」と思うことを、お互いちょうどよく尋ねあってくれるので、面白い。普段は対談形式の本って会話かみ合わなかったり、文に起こすのがヘタなのか読みづらかったりするけど、この本はそんな点はまったくない。

「30代女」をキーワードにしているので(「負け犬」といい、今の時代のキーかしら)、既婚未婚問わずこの世代の女性が一番はいりやすいだろうが、それに入らない人でも十分面白いと思う。

でも、今多い「自己完結型の問いをする人」に対して、20代は「自縄自縛」、30代は「自業自得」、40代は「墓穴を掘る」、50代は「趣味」なんて切り捨てているので、他人の評価が気になっちゃう人は止めといたほうがいいかも(笑)。