振り込め詐欺の11倍

この数字、なんだかわかります?

東京都内の万引き被害は振り込め詐欺の10倍以上の年間670億円−−。警視庁がNPO法人「全国万引犯罪防止機構」(万防機構、新宿区)の協力で初めて実施した推計で、こんな実態が明らかになった。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091024k0000e040052000c.html

だそうです。あちこちで被害を食い止めようと躍起になっている振り込め詐欺よりも(東京都の推定額で)万引きの被害額のほうが多いなんて。
この記事の写真にもあるように「万引きは犯罪ですというポスターなども見るが、そうやって告知しなければならないほど「犯罪」と認識せずに「遊び」の一環のように万引きする人が多いらしい。人のものを「とる」のが、いけないことだってなんで分からんかね。
それを受けてだろうけど、

東京都内の少年による万引き被害の増加を受け、警視庁は27日、道徳や倫理の授業で、防止教育をするための教材の作成を目指し、都教育庁、都青少年・治安対策本部とともにワーキングチームを設置し、初会合を開いた。
 「たかが万引き」という意識を払しょくし、「万引きは犯罪」との認識を確立するのが狙いという。
 警視庁少年育成課によると、教材は物語や紙芝居、動画などのさまざまな形式を検討しており、学年に合わせて複数種類を作成。年内に原案を作り、現場の教員の意見を聞いた上で完成させ、来年度から都内の小・中・高校での使用を目指す。
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20091028-4

という動きがあるらしい。教材を作って教えないといけないってのは情けないけど、

 同課によると、都内で今年1〜9月に万引きで摘発した20歳未満の少年は3284人で、前年同期比41.2%も増加。うち中学生は1512人(同66.2%増)を占めるという。
(同上:時事通信の記事)

この激増ぶりにはいかんともしがたい。少しでも減っていけばと思う。


もちろん、一番の被害者である書店は、本当に大変。

経産省が02年に全国の2530書店に万引き被害を調査したところ、1店あたりの被害額は年約211万円。万引きの認知件数は年々増加しており、現在の被害はこの調査を上回っている可能性が高い。全国の書店で組織する日本書店商業組合連合会は「書籍は利幅が少ない。万引き1冊分の損害は10冊程度売らないとカバーできない」と話す。
(同上:毎日jp)