『キャリアウーマン・ルールズ』

キャリアウーマン・ルールズ 仕事にフェロモン戦略は有効か?

キャリアウーマン・ルールズ 仕事にフェロモン戦略は有効か?

仕事で大成功を収めている女性をオトコ・タイプとオンナ・タイプに分類し、各カテゴリーに分類される国内外の女性の紹介や、男社会を上手く渡るコツ、キャリア・マナー、キャリアファッション(ファッション・コード)について書かれている。できるオンナはいずれのタイプにしても自分ブランディングがうまい、というところだろうか。
オトコとオンナの分け方は、

○オトコタイプ 
ファッション:マニュッシュなスーツ、スカートよりパンツスーツ
色の好み:モノトーンや原色 
支持基盤:同性・部下
出世:実績の積み重ね
意見:自分の意見をはっきりと言う
男女観:絶対的平等観
代表:ヒラリー・クリントン土井たか子

○オンナタイプ
ファッション:かわいいラインのスーツ、パンツスーツより、スカート
色の好み:パステル系
支持基盤:男性上司
出世:上司の一本釣り
意見:相手を諭すように意見を言う
男女観:相対的平等観
代表:コンドリーザ・ライス小池百合子

というものだけど、自分を当てはめると、どっちの要素もあるぞ。中途半端なタイプなのか?それとも、中性が普通で完全に片側によっている人は少ないのか?代表例として登場する方は、緒方貞子さん、林文子さん、ヒラリー・クリントン、ライス国務長官など、だれもが認める人たちだけど、ちょっと大御所すぎかもー。
本書で面白いなと思ったのは、2点。2つはキャリアを積み出世していくのに必要な能力として、業務に関するスキルはもちろん、周りから高感度を上げること、さらに手柄の配分力が必要というところ。手柄を独り占めしたり、差別するようでは上には上がっていけぬ、と。もう1つは、「ハリネズミ・オンナ」と「オバサン・タイプ」について。仕事に頑張りすぎるがゆえに周りを寄せ付けず、かえって傷つけるハリネズミのような存在になってしまう人が「ハリネズミ・オンナ」。針が抜けるとき、もう1つ上のステージにいけるそうだ。「オバサン・タイプ」は野心はそれほどもたず、細く長く会社にいて「社内の残存利益を獲得」する人。子育て中など一時「オバサン・タイプ」になるパターンもあり。
キャリア女性の類型以外にも、アメリカのキャリアウーマンのマナーに詳しく言及している(著者はアメリカで暮らしている)。均等法第1世代および外資や世界でバリバリと働くいわゆるバリキャリ向けにはいいかもしれないが、フツーの日本の女子としては、同じような系統の本なら『会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール』(福沢恵子、勝間和代)((余談ですが、勝間さんからいただきました!))のほうが、より実践的かなと思った。