『枕草子REMIX』 酒井順子

枕草子REMIX (新潮文庫)

枕草子REMIX (新潮文庫)

タイトルどおり、枕草子をリミックスして現代風にアレンジしまくって酒井節で紹介した本。

自分と枕草子の出会いは、最初はたぶん教科書ってことになるだろうけど、その後、田辺聖子さんの「むかし・あけぼの(上下)」という枕草子を小説にして紹介した本が面白くて、「枕草子、イケルじゃん」という感想は持っていた。
が、改めてこの本を読んでみるといろんな発見があって面白い。枕草子そのものの面白さというのに加えて、酒井さんファクターがまたほどよくかかっているので余計に。

著者は清少納言を「お洒落で賢くミーハーで意地悪」な「絶対自分と気が合う人」として、いたく共感したり、まるで生きているかのように対談し(もちろん創作だけど)たりしてる。現代語訳に添えて書いてある、今だったらこんな感じ?訳もなかなか。

ここには、女心、男女の仲などなど、千年たっても変わらないってことがたくさん紹介されているが、

さかしき(小利口な)もの。 今様の三歳児。

<今時の三歳児も、すごいナマイキ!>   第241段

※『枕草子REMIX』(文庫版)p164。1行目は原文を作者が現代語訳したもの(原文は「今やうの三年子」のようだ)。<>内は著者の感想。

というのもかなり笑えた。千年経っても変わってないぞ、三歳児・・・。


むかし・あけぼの 上  小説 枕草子 (角川文庫)

むかし・あけぼの 上 小説 枕草子 (角川文庫)