「わかる」タイトル
実用書を長くやっていると「わかりやすい」という言葉を嫌というほど聞き、話し、考える。読者が知らないことを、すでに詳しく知っている著者が伝授する性格をもっているので、当たり前といえば当たり前なんだが、そのためタイトルにもストレートに「この本を読めば、わかりますよ!」とアピールすることが多い。
そこで、どのくらいタイトルとサブタイトルに「わかる」が使われているか、ざっと調べてみた*1。あるわ、あるわ。ざくざく出てくる*2。もちろん、それがいけないわけではないし、素直にアピールるできる魔法の言葉であるとは思うが、これじゃどこかで見たタイトルになっちゃいますなという自戒をこめて。
- ビキナー系
- はじめてでもわかる
- 初心者でもわかる
- 一からわかる
- ゼロからわかる
「わかる」の王道。
- 表現手段でアピール系
- 図解でわかる
- 実例/事例でわかる
- マンガでわかる
- イラスト/絵でわかる
- 写真でわかる
- Q&Aでわかる
- 対話でわかる
- 見るだけでわかる
わかりやすくするために一生懸命工夫した表現方法なので、アピールのしどころ。一番、「わかる」とマッチしている言葉だと思います。
- 一系
- 一番わかりやすい
- 日本一わかりやすい
- 世界一わかりやすい
- 宇宙一わかりやすい
「日本一」くらいまではご愛嬌ですが、「世界」となると「どうしてそんなことが言えるんかい」、「宇宙一」となると単なるネタ・・ですね。ここは、語呂のせいか「わかる」より「わかりやすい」が多い。
- 飾り文句系
- よくわかる
- 絶対わかる
- きちんとわかる
- やさしくわかる
- 楽しくわかる
- こんなにわかる
- これでわかる
- 全部わかる
- もっとわかる
- ひとめでわかる
- おもしろいほどわかる
- 手に取るようにわかる
- わかる!
実はあんまり意味のない修飾語が多い。「よくわかる」は本当に多い。その上にさらに修飾がつくことも(「これでよくわかる」「日本一よくわかる」など)。
- みんな系
- だれでもわかる
- これならわかる
- 君にもわかる
- 動物系
- 猿でも(にも)わかる
- 猫でも(にも)わかる
- 犬でも(にも)わかる
その他、「ウマ」「ブタ」「ウサギ」などを見かけましたが、どれも・・・・ねぇ。
- 属性系
- こどもでも(にも)わかる
- 小学生/中学生/大学生でも(にも)わかる
- 大人でもわかる
- 社長にもわかる
- 文系/理系でも(にも)わかる
- パパ/ママにもわかる
- ・・・が苦手な人でも(にも)わかる
- 期間区切り系
- 今すぐわかる
- 1時間でわかる
- 3時間でわかる
- 今夜わかる
- 今日からわかる
- 3日でわかる
- 1週間でわかる
応用しやすいですが、本当にその期間でわかるかどうかは別問題。
- 範囲限定系
- この1冊でわかる
- これだけでわかる
- 過去形
- これでわかった!
- よくわかった!
感嘆符がつく確率高し。
- 行動系
- 比べてわかる
- 試してわかる
- 応用編・・・「わかる」の類語
- ・・・でマスター
- ・・・でおぼえる
- ・・・で納得
などと置き換えて応用できることも多い。類語はもっと多そう。