『本(あたらしい教科書 2)』

本 (あたらしい教科書 2)

本 (あたらしい教科書 2)

プチグラパブリッシングという版元が出している「あたらしい教科書」シリーズ*1の「2」にあたるのが、この「本」。

「教科書」と言っているだけあって、「本」の全体像をさらりとうまくまとめてある。本が誕生するまでの流れ、つまり企画からら編集、デザイン、印刷、そして取次を経由して書店に並び、読者の手に届くまでを追いながら解説。オールカラーで、写真も豊富なので、普段あまり目にすることがない「新潮社装幀室」の写真なんかもある。伝説の編集者やデザイナなんかも出てくる。監修者は、永江朗さん。

シンプルな装丁は、SOUP DESIGNさん。カバー、帯、表紙、見返しなどすべてに、紙の種類や斤量などが書いてあるのはさすが。内容とは関係ないが、上下に注があるのは面白い(しかも上の注は横書き、下の注は縦書き)。

「本」の入門書だから、出版業界以外の人にはもちろん、業界内の人も(業界の人こそ)楽しめる。知っているようで知らないことも多いし、なんといっても「ギャランティの相場」「ふろくの作り方」なんて読んでみたいと思いません?

※今月の『ダ・ヴィンチ』の「編集者の手前みそ」(p135)で担当編集者が登場していた。企画段階では、新書を敬遠しがちな20代〜30代をターゲットにしていたそうだが、実際は図書館や大学生協からのひきもあるそうだ。ナットク〜。このシリーズしばらく、注目!

*1:教科書といっても、いわゆる教科に沿って学ぶのではなく、シリーズコンセプトは、「「学び」とは、なにかを発見する楽しさにみちあふれたもの。「あたらしい教科書」は大人の学びたい気持ちに応えるべく、さまざまなテーマを、魅力的な監修者によるナビゲートのもと、ヴィジュアルを多用したわかりやすい誌面構成と、豊富な周辺情報のフォローで、深い学びの世界への可能性を示します。」。大人の学び本みたい。