『ソーシャル・ネットワーク・マーケティング』 山崎秀夫

この時期に、このネタの本を出すなんて、早いなぁ。まだ個人ユースでのソーシャルネットワークがやっと浸透したかなといったくらい(ソーシャルネットワークの本もぼちぼち出ているくらい)。これからどっちへいくのだろうかというところで、それをいかにビジネス活用するかという話なんだから。

本書のなかでも、日本やアメリカの企業事例をたくさん拾って紹介してあるが、どれも成功事例というわけではなく、「こんなサービスが立ち上がりました。今後が楽しみです」といったところ。どれも発展途上のものなので、仕方がないけど。

ソーシャルネットワークはその性格上、半ば閉じた世界なわけで、インターネットのもともとの趣旨というか性格というか、そういうものに反すると思っていたので、正直ここまで大きくなると思っていなかった。でも、mixiの盛り上がりは周知のとおりで、「紹介による人と人とのつながり」っていうのは、大きいんですかね(でも、大きくなりすぎたソーシャルネットワークの行く末は、どこへ行くのだろう?)

ただ、マーケティングという意味では、従来の「ユーザー会」((もともと優良顧客をさらにがっちりつかんでおくための仕組み?))を模して作られたことを考えれば、ソーシャルネットワークの使い道はかえってあるのだろうか。

本書の中で著者も言っているが、ソーシャルネットワークは何も手をかけないとすぐに廃れていくものなので、ビジネスに利用するには、一層手をかける必要があるでしょうね。

余談だが、「ソーシャル・ネットワークマーケティング」というのは、長ったらしくて舌かみそう*1。この言葉(やコンセプト)が、もっと普及するなら、略語になるか(順当にいけばSNMか)、同じ意味を表す別の言葉にならないとダメじゃないかな。

*1:紙面でも、かなりの部分この言葉が占めていた(苦笑)