『希望格差社会』 山田昌弘

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

今後、将来に希望が持てる人(いわゆる「勝ち組」・パイプに乗りつづけられる人・中核的労働者)と、持てない人(「負け組」・パイプから漏れた人・単純労働をするしかない人)に分断された社会がやってくるというもの。普通の生活(家庭・会社・教育)においても「リスク」が遍在化するようになり、持てるものと持たざるものの格差が「二極化」する―。

「希望」っていうキーワードは、重要だなと思った。今、問題になっている「少子化」「晩婚化」「ニート」「ひきこもり」あたりは、ここから考えていくといいかも。

「努力してもしなくても変わんない」ならだれも努力なんてしなくなるだろう。今後、そのような状態におかれる人が増えてくると言うが、じゃあどうすればいい?というところは、特にこれといった提言がない。ニューエコノミー化された現実を、過去に引き戻すことはできない。その先は自己責任で行動せよということなのか。

とりあえず、子どもをもつ親として、自分の子が「頑張ったら頑張ったなりに」どうにかなるくらいの立場でいてほしいと思う。