羽ばたかんとする後輩、変わらないわが身

近々会社の後輩が退社をするということで、お昼に誘った。彼女とは以前はそこそこよく話していたが、最近は編集部もフロアも違うので、ほとんど話す機会がなかった。以前から転職したいという話はしていたので、やっと実現したのね、どれどれ今はどんな気持ちでいるのかしらと思って誘ってみたのだ。

話を聞くと、新しく行く版元は給与待遇面では今より悪くなりつつも、仕事の内容や会社の雰囲気などは希望通りだという(面接時の情報によると)。それに、知る人ぞ知るというわが社と違って、知名度も高く、扱ってるジャンルも広い。なるほど行ってみたくなる会社だ。自分のキャリアが通用するか心配ですけど、いろんなチャレンジができそうで楽しみですーと目を輝かせて話をしてくれた。

中小出版社の常として、うちの会社も人材の流出入は激しい。新天地を求め、飛び立たんとする姿は何度見送っても美しい。大変だと思うけど、修行だと思って頑張ります!という希望に満ちた顔で話してくれるその姿に、若いっていいわーと思ったり、いやまだそんなことを思うほどの歳じゃないはずだと思ったり。自由なのってすばらしいと思ったり、いや自由を縛るものは実は自分自身なんだよねと思い直したり。やっぱ楽しくなくちゃ仕事じゃないよねと思ったり、いやお金を稼ぐには足元も見ないとと思い直したり。隣の芝は青いよねと思ったり、いやそれは思い過ごしかもと思い込ませたり。千々に乱れる三十路心。

編集という仕事自体はとても好きだが、今の会社の得意分野と自分の興味嗜好が合致しているかというと、必ずしもそうでない。でも、もしそこがもしピッタンコ合ったら・・・そこには、すばらしい未来が・・・・ある・・・のか?!