『未妊』 河合蘭

未妊―「産む」と決められない (生活人新書)

未妊―「産む」と決められない (生活人新書)

漠然と子供が欲しいと思っているのに、最後の一歩が踏み出せない「未妊」状態にある女性たち。彼女たちのライフスタイルや考え方はいかなるものか、医療の現場はどうなっているのか、丁寧に取材し、データなども交え多角的にまとまめた一冊。

経済的な援助だけではなく、「気持ち」のケアが大事。よくいわれる保育園の整備や児童手当、法制度の話なんて本書ではほんの少ししか出てこないけど、「産まない(産めない)」理由を突き詰めていくとそんなことより、現代にいきる女性のとりまく環境と心にあるんだ。著者に深く共感。

著者自身は3人の子持ちのお母さん。だから、子どもをもって働くってことがわかりつつも、「未妊」の女性にお説教するわけではなく、今の日本の女性をとりまく現状を鋭く切り取って知る指定ある。だから、もし自分が「未妊」で、そのことになんとなく不安に思っている人でも、気兼ねなく読んで欲しい。もちろん、世の男性にも。そして2人目(以降)の妊娠にとまどっている人にも。

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