『お母さんはしつけをしないで』 長谷川博一

お母さんはしつけをしないで

お母さんはしつけをしないで

しつけって本当にむつかしい。しなさすぎて野放図に山猿のようになってもらっても困るが、この本のように「愛情をもって」「子どものためを思って」しつけたつもりが、行き過ぎてしまい、「後遺症」が子どもにのしかかることがある・・・。

最近の母親は「父性化」しているという。「しつけ」というより、わが子を管理し、支配下に置こうとする。これは、幼いうちは上手くいくかもしれないが、いずれ第二次成長期、または大人になったときに破綻をきたす、というのだ。

では、どうしたらいいのだろうと困ってしまうところだが、ズバリ「なにもしない」。「がんばらない」。「子どもに任せる」これだけだと、語弊があるかもしれないが、「自分自身の生活を楽しむ」「子どもダケの生活にならない」を主眼におき、過干渉を避けることを第一に主張している。

子どもの欲求は受容しなさい、でも自分も楽しみなさいって、言うはやすし、行なうは難し。普通に考えたら、並び立ちません。かまいすぎてもダメ、かまわれなさ過ぎてもダメ、子育てはかくも難しい。