『編集長を出せ!』岡留安則

2年前に休刊した『噂の真相』の抗議・トラブル舞台裏。さすが『噂の真相』だけあって、出てくる人たちは一筋縄ではいかないものばかり。それだけに読んでいて面白い。クレームや抗議だけでもこうやって1冊になるくらいあるのは、さすが『噂の真相』。

ここには、『噂の真相』編集の流儀も紹介されているが、それは義理や恩義ではなく、書く必要があると思えば書くというスタンス。たとえ昔からの仲間であろうが、関係なし。なぜならそれが、ジャーナリズムだから。なので、当然衝突も多い。

多ければ、事前の回避法や対応策のノウハウもたまっていく。でも基本スタイルは、やっぱり「顔を合わせて誠意をもって対話する」ということらしいけど。

また筆者には、俳優や作家、その他大物と呼ばれる人は、スキャンダルを芸の肥やしにするくらいの度量がないとダメだ、怒鳴り込んでくるヤツは器が小さいといった(若干、自分勝手な)基準もあるようだ。書かれた人にとっては、書かれっぱなしでは悔しかろうし、下手に乗り込めないし、結局黙認か、せいぜいほかのメディアで応戦するしかないんだろうか。うーむ。

ちなみに、これ、ソフトバンク新書の第一弾のうちの1つ。確かに総合出版社のように作家や女優などのしがらみがなくていいと思うが、なぜ、ソフトバンクからなのかしら。ウワシン好きだった編集者がいたから? 蛇足だけど、タイトルはベストセラーになった『社長をだせ!』から来たんでしょうかね。