「書の至宝」展

上野の東京国立博物館で開催されている「書の至宝」展に行って来た。夫とチビは、同じ上野公園内の「上野動物園」に行っていてもらって、一人でゆっくり・・・のはずだったが、そうは問屋が卸してくれなかった。
ともにもかくにも大人気で、人、人、人。まず、入場制限がかかっていて、私の行ったときで70分(ただしこれは公称で、実際は50分待ちくらいで入れた)。今日は暖かかったからよかったものの、外でたちっぱなしでじっと待つのはつらかった。当然、中に入っても、人だらけ。人気の展示物の前には何重にも人が取り囲んでいて*1て、見るのを挫折したものも。
今回、見に行こうと思った直接のきっかけは『芸術新潮』の今月号の特集「ひらがなの謎を解く」がひどく気に入ったから。だから、日本の書、とりわけ"女手"はじっくり見たかったが、それも満足に見られず(相対的には時間をかけてみたものの)押し出されるようにして出てきた。
私は書に関してど素人で、自分で書いたりするわけではないが、すごく魅力を感じる特別展だった。もっと書に詳しい人、書を実際になさっている人などにとっては、「王羲之欧陽詢、蘇軾、空海小野道風本阿弥光悦良寛― 名筆、時空を超えて一堂に。」のコピーどおり、たまらない展示物だったはず。・・・ゆっくり見られれば。
美術品、芸術品などは本物を鑑賞したほうがいい、と言う。が、時と場合によるよなぁ。展示場に入ったころにはいい加減疲れていて、さらに中でも人疲れ。休憩スペースも人だかりで、トイレも当然長蛇の列。自分のペースで見ることもかなわず、結局、一番よかったのは帰ってきて買ってきた図録をじっくり見ることができたとき。これの方が100倍落ち着いて見れて、100倍楽しめた。もちろん本物を見たからこそ活きてくるのだろうが*2
余談だが、ここでも中年女性パワーはすごかった。ぱっと見、男女比は3対7くらい。で、8割方は50歳以上。展示物の性格もあるだろうが、まさにおばちゃん一色な展示会場だった。

*1:一番すごかったのは、やっぱりというべきか、「王羲之」のところ

*2:図録は3000円もするが、飛ぶように売れていた。そして中身は非常に充実している・・・っていうか私には専門的すぎるよぅ