『検索エンジン戦争』ジェフ・ルート 佐々木俊尚

検索エンジン戦争

検索エンジン戦争

検索エンジン」という非常に狭く新しいビジネスの歴史とこれから。著者は、ECジャパン株式会社ジェフ・ルート氏と佐々木俊尚氏。検索エンジンの熱いウォッチャーで、INTERNET watch「そこが知りたい! 検索エンジンの裏側」 という連載を持っている。

検索エンジンができてたかだか10年。本格的な「検索エンジン戦争」に入るのは、1998年にGoogleができてからだ。そのほんの数年の間にめまぐるしい勢いで行われた戦い、主にYahoo!Googleそしてマイクロソフトの「広告」をめぐる戦いが描かれている。

これまでもこれからも、検索エンジンとそれに付随する広告ビジネスは、インターネット業界非常に大きな意味をもつ。仕事でも、プライベートでも検索エンジンは絶対必要なもの。戦いも熾烈で、その現在進行形の仁義なき戦いぶりがワクワクさせられる。

検索エンジンは、今後水平方向と垂直方向に広がりを見せていくという。水平方向というのは、今までのweb検索に加えてデスクトップ検索、商品検索、ニュース検索、社内ナレッジの検索など、検索領域の拡大(以前のプル型の拡大バージョン)。一方で、垂直方向への広がりは、ブログ、RSSなどのプッシュ型検索である。

本書は、技術的側面ではなくビジネス面に焦点が絞られているので、特別な知識がなくても読める。ただし、本書でも、執筆時点ではという断りが多く見られるがまさに「現在進行」の話なので、一番楽しめるのは「今」だ。ネットビジネス、特に検索エンジン、ネット広告に興味がある人は、今スグ読むことをオススメする。

最後に。内容とはまったく関係ないが、紙が分厚すぎて読みにくい。もう少し薄い紙を使ってほしい。

装丁:斉藤よしのぶ