編集者の記名
なにげなく「ウィキペディア」の編集者の項目を読んでいたら、仕事内容の紹介と同じくらいの分量で、編集者のクレジット問題が取り上げられていた(下記)。
書籍の編集者の場合、著者が本の「あとがき」などで謝意を表するような場合を除いて、自分が編集した本に自身の名前が記されることはなく、たとえ著者からの謝意をあらわす文章で編集者の姓名が「あとがき」等に記載されていたとしても、本の書誌事項として登録される公的なものではない。いわば匿名性のなかで仕事をすすめていくのが、編集者の仕事の特質のひとつである。しかし、編集者のなかには、「スーパーエディター」を標榜した安原顕のように、書籍の奥付に自身の名前をクレジットするものもいる。
で、この編集者のクレジット問題。大きくわけて
- 自ら名前を入れる(主に奥付)
- 著者が入れてくれたら、そのまま入れる(主に「おわりに」などの謝辞)
- 入れない(著者が謝辞などで入れてきても削る)
の3つかと思います(マイナーケースですが、雑誌形式の書籍の場合、雑誌にならってスタッフクレジットが入っている場合もあるかな)。
これは編集者の中でも大いに意見が分かれるところで、
積極的記名派
- 名前をいれることで、責任の所在がはっきりしてよい
- 自分の仕事の記録として残しておきたい
- ヤスケンさんみたいにカリスマ編集者になるぞ(?)
人任せ記名派
- せっかく、謝意を表明してくれたのだから、そのままにしておきたい
- 自分でクレジットを入れるのはナンだが、人が書いてくれたならそのままいれておきたい
- どっちでもいいので、なりゆきまかせ
無記名派
- 見ず知らずの人に名前をさらしたくない
- 編集者は黒子に徹するべし
- 名指しでクレームなどが来るのが恐い
といったところでしょうか。
ちなみに私のスタンスは、基本的に2の著者まかせ派。ずっと以前は、3だったのですが、一度書いていただいた謝辞から自分の名前を削ったところ、「人の感謝の気持ちを無にするのは、失礼なことですよ」とお叱りをいただき、それからその手の原稿には手を入れないようにしたのだ。
正解があるわけではないので、各自のスタンスでいいと思うのだが、みなさまどう思います?